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「ステロイド外用剤」について

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皮膚科の薬に精通した専門薬局として

しずおかクローバー薬局は、専門薬局として高度な薬学知識を備えた調剤薬局です。それぞれの専門分野に関する薬の高度知識を備えています。
ここでは内科で処方されるお薬について、薬剤師が薬と、薬の使用に関する情報提供を行います。

皮膚科の薬「ステロイド外用剤」について

皮膚科の薬と聞くと、皆さんは何を最初に思い浮かべるでしょうか。
かゆみ止め、保湿剤、ビタミンローション…。 皮膚科では数多くの外用薬を処方することがあります。
その中でも最も知って欲しい、ステロイド外用剤についてご説明します。

ステロイド外用薬
ステロイド外用薬とは、ステロイド系抗炎症薬の皮膚外用剤であり、皮膚外用治療で最も一般的に使われる医薬品である。薬効成分として糖質コルチコイドあるいはその誘導体が使用されています。薬効としては、白血球の遊走を阻止したり、ヒスタミン・キニンなどの炎症性ペプチド抑制や線維芽細胞増殖など、数多くの作用によって皮膚の炎症を抑える効果のあるとても優れた外用薬です。
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アトピー性皮膚炎を確実に効果があるのはステロイド外用剤とプロトピック軟膏だけ

ステロイド剤と聞くと、副作用が心配と思われる方が多いと思います。しかし、ステロイド外用薬の使い方を正しく理解していれば、ほとんどの場合副作用を最小限に留める事ができます。
現在、アトピー性皮膚炎に確実に効果があるのは、ステロイド外用剤とプロトピック軟膏だけです。
ステロイド外用剤は、アトピー性皮膚炎を治療するうえで欠かせない外用薬でもあります。

ステロイド外用剤の副作用について

ステロイド外用剤を使用した治療で、塗った部位に現れる主な副作用の例をご紹介します。

  • ・皮膚の感染を起こしやすくなる。(とびひ、ヘルペス、おでき 傷の治り遅くなる)
  • ・皮膚がうすくなる(血管が浮き上がって赤く見える、特に顔に起こりやすく、漫然と使用は避けて医師の指示に従って下さい)
  • ・ニキビができる(顔、胸、背中などにできやすい)
  • ・皮下出血ができる(青あざ)
  • ・毛深くなる、うぶ毛の色が濃くなる

上記のような副作用も、医師の指示に従った正しい使い方をすることで、最小限に抑えることが可能です。
ステロイド外用薬を使用する治療では、薬の性質を理解し、正しく使用すること、決して自身の判断で使用を中止したり、塗布する量を変えないことが何より大切です。

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ステロイド外用剤の強さ(ランキング)と部位別使い分け

アトピー性皮膚炎の治療に使われるステロイド外用薬には、効き目の強さを表すランクがあります。
強度ランクは5段階に別れていて、効き目の強いものから Strongest / Very Strong / Strong / Mild / Weak というように分類されています。この分類により、使用する部位も変わってきます。

皮膚炎の症状と、対象となる部位、効き目の強さと皮膚炎の状態が合っていることが治療を進めるうえで大切になり、弱ければ皮膚炎は治らず、強いステロイド剤であれば副作用のリスクが高まります。
ステロイドのランク、使い分けについて不安に思うことがあれば、医師、薬剤師に確認するようにしましょう。

■STRONGEST
最も体に吸収されやすい成分を使用したステロイド剤で。成分量は少ない特徴がありますが、作用が強いため子どもへは処方されることがありません。大人でも連続しての使用は7日以内が目安となります。
成分名 主な商品名 成分量
クロベタゾールプロピオン酸エステル デルモベート 0.05%
ジフロラゾン酢酸エステル ジフラール 0.05%
ダイアコート 0.05%
■VERY STRONG
一般的な成人に処方される強さがVERY STRONGです。大人では身体患部、子どもでは四肢に処方されることが多いランクのステロイド外用剤です。使用目安は大人で7日以内の連続使用が目安となり、子どもの場合は数回の使用にとどめましょう。
成分名 主な商品名 成分量
モメタゾンフランカルボン酸エステル フルメタ® 0.1%
酪酸プロピオン酸ベタメタゾン アンテベート® 0.05%
フルオシノニド トプシム® 0.05%
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル リンデロン DP® 0.064%
ジフルプレドナート マイザー ® 0.05%
アムシノニド ビスダーム ® 0.1%
吉草酸ジフルコルトロン テクスメテン ® 0.1%
ネリゾナ ® 0.1%
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン パンデル ® 0.1%
■STRONG
大人への処方では全身~身体患部に、子どもの場合は顔や陰部を除く身体患部が対象となります。連続での使用は大人の場合14日以内、子どもの場合で7日以内です。
成分名 主な商品名 成分量
デプロドンプロピオン酸エステル エクラー ® 0.3%
プロピオン酸デキサメタゾン メサデルム ® 0.1%
デキサメタゾン吉草酸エステル ボアラ ® 0.12%
ザルックス ® 0.12%
ハルシノニド アドコルチン ® 0.1%
ベタメタゾン吉草酸エステル ベトネベート ® 0.12%
リンデロン V® 0.12%
フルオシノロンアセトニド フルコート ® 0.025%
■MILD
大人、子どもともに顔を含めた全身が対象となります。連続での使用は大人で14日以内、子どもの場合で7~14日以内が目安です。
成分名 主な商品名 成分量
吉草酸酢酸プレドニゾロン リドメックス ® 0.3%
トリアムシノロンアセトニド レダコート ® 0.1%
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル アルメタ ® 0.1%
クロベタゾン酪酸エステル キンダベート ® 0.05%
ヒドロコルチゾン酪酸エステル ロコイド ® 0.1%
デキサメタゾン グリメサゾン ® 0.1%
オイラゾン ® 0.1%
■WEAK
ステロイド外用薬の中で最も弱い分類のステロイド外用剤です。薬を最も吸収しやすいお尻や陰部も対象となります。
成分名 主な商品名 成分量
プレドニゾロン プレドニゾロン ® 0.5%

上記のように単にステロイド外用薬といっても、効き目によってランクに分類され、同ランクの中でも様々なステロイド外用薬が製薬会社により製造されています。自身に合い、安全に使用できるステロイド剤を使用できるように、医師、薬剤師に相談してください。

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ステロイド外用剤の「剤型」とその特徴について

ステロイド外用薬は、同じ薬剤名でも軟膏/クリーム/ローション/ゲル剤と使い分けることができます。
例えば、ステロイド外用剤の中でも有名なリンデロンには、軟膏 クリーム ローション 3つの剤型があります。
またユニバーサルクリーム、パスタ剤(油分あり)、ソフト軟膏、乳液、懸濁液なども存在し、それぞれがにより部位と使用回数・使用法が異なります。医師の指示に従う事が大切です。

軟膏タイプ

軟膏タイプの外用薬は刺激性が少なく、その性質から患部を保護する作用があるため、乾燥した患部、湿潤した患部のどちらにもしやすい特徴があります。

適応病変 メリット デメリット
びら ん・潰瘍を含むあらゆる病変に使用 効果が確実、安全性が高い べたつく、てかてか光る
クリーム

軟膏に比べてベタつかないため使用感がよく、乾燥した患部への使用に適しています。

適応病変 メリット デメリット
一般に湿潤面には使用しない べたつかない、水で洗い流せる 刺激性があり、乾燥してしまう
ローション・ゲルタイプ

軟膏やクリームでは塗布しにくい患部(頭髪部など)への使用に最適な剤形です。

適応病変 メリット デメリット
有毛部の病変 発汗時でも使用感がよい 刺激性がある
スプレータイプ

広範囲に使用できるのが最大の特徴。

適応病変 メリット デメリット
日光皮膚炎など一般の使用は限定的 塗布時の痛みがない 刺激性がある、正常な皮膚への塗布
テープタイプ

切り貼りするテープタイプの剤形、掻破を防止できる特徴があります。

適応病変 メリット デメリット
肥厚性・亀裂性の病変 効果が強力、掻破が防止できる 毛包炎を誘発しやすい

上記に挙げた剤形のように、ステロイド外用剤には様々なタイプが存在します。
ステロイド外用剤を使用するにあたって、ご相談したいことがございましたら、クローバー薬局へお気軽にご相談ください。